下流志向~学ばない子どもたち 働かない若者達たち/内田 樹 [本]
■君たちが役に立つことにこだわるワケは? 大人はこうみている。
朝日新聞より書評抜粋 [評]中条 省平
今、日本の子ども達は家事を手伝う必要がない。
そのかわり、消費者として自分を確立する。
金は持つ人の身分を問わない。これは金のフェアさだ。
今の子どもはしばしば「これを勉強すると何の役に立つのですか」と聞く。
消費者として自分を確立した子どもには当然の問いである。
消費者にとって、自分がその有用性を理解できない商品は
意味をもたないからだ。
だが、「何の役に立つか」と問う人間は
ことの有用無用について自分の価値観が正しいと思っている。
幼くして全能の消費者となった立場から、
今の自分の役にたたないものを退ける。
この態度を、今、はやりの自己決定論、
自己責任論が後押しする。
勉強しなくても、自分で決めてそのリスクを負えばよい。
未来の自分に目をつぶり、今の自分の無知にしがみつく。
~消費社会にしがみつき未来から逃走している
消費社会の原理は等価交換*である。
労働に見あうと自分が判断する利益が得られれば働く。
教育の場で「何の役に立つか」という消費者マインドが
学習からの逃避を原理的に支える。
何の役に立つか、と問い続ける限り、
潜在的な人間的資質は開発されず、
消費者でしかない子どもが再生産されるばかりだ。
”等価交換*・・・等価交換OR努力の意味
(この選択ってアニメの「鋼練」のテーマじゃない?!)
なんで勉強するんだろう!
・・・昔はこんな疑問形が多かった気がする。
今の子は なんの役に立つの??
そんな疑問形が多いってのが不思議でした。
これで納得♪
今、なかば強制されていることに対して
疑問を持つのは人間として当たり前。
大人は自分を成長させてくれたものを
むやみに与えたがるものです。
でも、その魅力に気がつけないのも
実はもったいない!
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