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透きとおった糸をのばして等  ネタばれあり [本]


佐藤さん

佐藤さん

  • 作者: 片川 優子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/07/16
  • メディア: 単行本


見える僕は佐藤さんに憑いてるものをいつも気にしている。それだけの関係だったはずがいつしか・・・。状況がわかってニヤニヤしている守護霊、安土さんに助けられながら?佐藤さんの乗り越えるべきトラウマに向き合う。でもそれは、僕のトラウマと向き合うことでもあった。
~いじめっこの話す、いじめた理由が身につまされる。家族と仲良くしているところを見たから。それだけだった。デビュー作。


透きとおった糸をのばして (講談社文庫)

透きとおった糸をのばして (講談社文庫)

  • 作者: 草野 たき
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/06/15
  • メディア: 文庫


突然、愛する親友ちなみに無視された香緒。たぶん、ちなみの好きな梨本君が香緒が好きだから。でも、それだけじゃなかった。
中学生らしく、恋愛に対する温度差があるからこその亀裂もある。でもそれだけじゃなく、ちなみはべったりとしっかり者とあがめられることが負担だったと後で告白するのだが、最初からそれを言われても主人公はピンとこなかっただろう。ちなみとの別れを憂う重い時間を過ごし、梨本君にバンドのボーカルを勧められて自信を持ったり、同居することになったいとこ知里と突然元彼を追って上京、居候した知里の友「るう子ちゃん」との関係を共にすることで自分に気が付いていく。
るう子はストーカーのように元彼を追いまわし気が済むまで感情をぶつけ、DLに今の彼女とも一緒に行って傷口を塩を塗りたくり、結婚式の招待状を破り捨て、納得して帰っていく。そんなめちゃくちゃな彼女だが、思い人が結婚したからと思いをぶつけることもなく、逃げるように上京した知里を心配していた。知里とるう子はしばらく疎遠で挨拶もそこそこだったはずなのに、るうこはちゃんと気にしていたから突然来た。そして知里の本質をつかんでいた。それは透きとおった糸でつながっているから、と知里は言う。
だから、ちなみとは元にもどれなくてもこれからも透きとおった糸でつながっているんだろな。ひとりじゃないことを実感して香緒は一歩を踏み出せていく。
漫画みたいに思いをぶつけあってあっけなく解決したり、梨本君と安易にくっついたりしないところがリアルで◎。
透きとおった糸・・・簡単にくくると、縁ですか。そんな言葉じゃつまんないか。


ピンクの神様

ピンクの神様

  • 作者: 魚住 直子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/06/26
  • メディア: 単行本


首なしリカちゃん~仲良くなるなら自分と似たような服の人がいい。加奈子は常々そう意識していた。お金をかけた服の人とも無頓着な人も私には合わない。この経験則を大事に守ってきた。子供を送り迎えのある幼稚園に入学させて人間関係を作るので・・・ところが、娘の友達のお母さんの格好ときたら・・・。
そんな先入観から、話も通らないと決めてかかり、子供を友達から引き離そうとした時、その友達が行方不明に!
子供自分が合わないと思っていたのは、格好を気にしない人が自信たっぷりな人間だからと気がつくまでを丁寧に描いている。

自分にも思い当たるところはあるな。服を気にしない人といるとなんだか楽。こじゃれた人といると刺激になって楽しい。服を得意げに見せびらかす人は疲れる。意識しないことはないかな。
ランチデートに誘ってくれる友達は半分がノーメーク(笑)で世の中に物申す的な意見をきっちり言いたい弁論者。ノーメークは自信がないので頼もしい存在だ。半分がかわいい華やか系の美人さん・・・あっ、みんな弁論者・・・。私の周りでは女同士付き合う上では服装に傾向なし。流行や美観で武装しなくても、通用するということを知っている。自分を持っているのでとても助かる。

ピンクの神様~葵はグループのリーダー。侑里は葵が普通に返事してくれるか不安なだった。侑里の前はまみだった。始まりはいつも月曜の朝。無視された子は慌てふためき、落ち込む。葵はその衝撃を受けた様子を見るのが、鳥肌がたつくらい楽しかった。こんなことを繰り返していたらいつか自分が・・・という不安は全くない。高学年になると、幼い時のまま受け身で生きる子と、世の中には見えないルールがあることに気が付いている子にわかれ、さらに、自分が上に立つためにどう活用すればいいか考える子とルールに気が付きながらも漫然と生きる子に分かれる。
葵の発見したルールは堂々としていれば人はついてくるということだ。といっても、必要な条件はそこそこに整っている顔。服や小物のセンス。流行に精通。男子の前で態度を変えない・・・この条件を全部意識してクリアしていた。
優しい雰囲気は出さない。たまに優しくしたときに効果があるからだ。
無視は長くて一週間くらいのはずが・・・。今回は徹底していた。
理由は侑里が家族と仲良くしているところを見たから・・・。
また、これかよ。そんなとこなんだろね。
中学生を観察していると、ポジションを意識している生徒はまじめに性質が悪い。ポジションの上下をかぎ分けて人で態度を変える。下と認識すると徹底的にたたく。うまくたちまわり言葉も効果的に使うし、観察もするどくて興味深いので、人間関係の出来ているときはかわいく思う。けど、信用は絶対していない。するわけがない。
あと、侑里は他のグループに入ろうとしてもうまくいかない・・・。リアルだ。

みどりの部屋~二人の職場仲間の悪口、陰口にうんざりして、ストレス解消に買った観葉植物が部屋いっぱいになっていく文子。ある日、直接言ったら?と提案したら、今度は自分が標的に。でも外れていた新山さんと話をしたら、とても楽になった。
よかったね。

囚われ人~典子の一日は文房具屋の掃除から始まる。そして、小さな世界に生きているお客の悩みを聴いていく。そして彼女も、小さな世界で嫌悪した母の子にウソをつき死に至らしめたという過去をもっていた。
ひとつひとつは小さいことで、仕事で忙しい人からみたらくだらないみたいなんだけど・・・重なると。と女性客は続ける。
その友達が私の持っているもの真似するんです。別に真似をしてもいいんだけど、彼女の方が社交的だから、ほめられるんです。そういうとき私のを真似て買ったとは絶対言わないんです。私が先に知り合った友達もとってしまうんです。私が紹介した時には興味がない顔をしていたのに、私がいなくなるとその人と仲良くなって、先にお家に遊びに行く。私にことわりもなく。
お願いだから、馬鹿にしないで聞いてほしい。そんな叫びでいっぱいの話。

・・・ひとつひとつの具体例はささいなんだけど。
そうだね。離れた方がいいよ。私もしみじみ思うよ。ほんといるから、そういう失礼な奴。
子供がこんな感じのつきあいの中でがんじがらめにされたら、不登校当たり前だね。
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