映画『モテキ』〜ネタバレ注 [movie]
まず見てこの一言
『(500)日のサマー』?
サブカルチャーな趣味にどっぷりオタクの童貞君が、趣味も合うしスタイル抜群の可愛い彼女と意気投合。なのに彼女は彼氏持ち。でも、毎日会ってるし…僕は何?
自意識を救いとって存在意義みたいになってるサブカルチャーにジャストミートな異性が現れて…って展開だけでも『サマー?』って思ったのに、極めつけがこの演出。オマージュでしょ、これッ。
上手く行って浮かれた気分の演出が、道行く街の人々とのダンス。さすがにホール&オーツじゃなくてパ○ュームだけど。日本っぽい軽くてPopな演出が小気味いい。しかもダンスも見応え十分。さすが森山未来、芸達者。もともとダンスできますって触れ込みだったもんね。
でも『サマー』?って思ったのは冒頭だけでだんだん色合いが複雑に。
本舗はモテないのが嘘っぽい甘いマスクのジョゼフ君(堺雅人っぽい)に対して森山君。ねっとり狙い過ぎなキャラのズーイー(シー&ヒム)に対してサラっとした長澤まさみだし。
『モテキ』の感想の半分は「あれは俺だと思う。観ていて気が気でない。」だっけ。そう思わせる森山未来さすが。
ライターの能力もあって、あれだけ人とコミット出来ていれば十分なんだろうけど。異性との付き合いは別の話しね。
日本のPopカルチャーの扱い方も時代に寄り添ってなるほど!と楽しい。アイドルソングの昂揚?効用?もばっさり。久保ミツロウの原作には、このサブカルチャーと自意識の距離感をばっさり叩き切った言葉がちりばめられているのかしら。久保ミツロウ、女だからのばっさり感。期待〜。
気分をカラオケの歌詞さながらにテロップするあたり。カラオケの歌詞を読んで、グッと入り込む効果は皆よく知ってるもんね。面白い表現だわ。
マンガは途中までしか読んでないけど、麻生久美子はもっとえぐくて不幸になってて、主人公は罪悪感から出来た傷に散々塩を塗り込まれてた気がする。映画はそこまでしないで傷もさらさら後味を計算してる。遊び人役がリリーフランキーってとこからキレイな演出なんだろな。
ラストは…
とにかく後味すっきり!
澱が残らなくて面白い映画は久々。見てよかった。
久保ミツロウ。タイムスリップ部活もの『アゲイン』も好調みたい。こちらも期待!
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