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『万引き家族』と遺伝子への幻想 [movie]

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『万引き家族』 観てきました!
演技陣の演技にも惚れ惚れ[ぴかぴか(新しい)]
ネタバレにならないだろう範囲で随想をちょこっと。

この映画は今の子育ての問題提起でもあるんだなって思いました。...
育て方と共有の仕方って、ある程度、学ばないと遺伝子だけでは伝わらないのに遺伝子への幻想だけがひとり歩きしているみたい。今までは宗教や共同体が作り上げた〈家族規範〉(序列を基にした役割の明確化)という圧力で子育てへの学習を促してきたりしたけど、遺伝子の繋がりだけで子育てが無理なのは、動物園の動物の子育てみたいにモデルがないと立ち行かなくなるのはわかっているのにね。遺伝子と圧力だけあってもしょうがないのかも。

ましてや、戦後は人権よりも経済を選択した時期もあったから(池田首相期・その前の安倍総理の祖父である、岸首相の推した軍事方向にいかないだけマシだったけど。あれ?今も?)そういうものが成功体験として脈々と子育てにも引き継がれていることを漠然と感じたりするから余計。規範モデルを役割化する在り方はどこか個人として生きることと矛盾しがちにさせてしまって、子育てを学習させる為の規範がただの圧迫になっているみたい。
映画でも、個を圧迫しても誰も救われない場面もちゃんと描いていました。

気持ち過激に言い換えると〈遺伝子の繋がりは尊いもの〉と神話として置くことで遺伝子を利用しているようにも見えたりも。本来、尊いものを過剰に美化しながら、個人を絡め取るために利用して、むしろ貶めてしまっているようにもみえたりして。

日本での遺伝子への過剰な幻想は、組織の役割と分離できない個人が多いように、親子では遺伝子の繋がりに依存しちゃって、分離できない親子をさらに産む原因になってしまうかもしれないですね。尊いものがどんどん…。

遺伝子を使って家族と社会を維持する為に役割を充てがう繋がりと、金銭だけでの繋がりとどこが違うのかもわからなくもなる。映画で描かれた家族は、大きな社会と小さな社会、規模と契約の規範が違うだけで維持するためにただ有るだけで。(野生の子育てが環境次第で規範を変えることはいくらでもあるわけだし。)

ひとつの規範ありきならば、外れたものの行き先は?
子育てのバリエーションモデルは、人間界も生物界も極めて多彩。ましてや遺伝子なんて言い出したら、人間だけじゃなくて、水を起源にあらゆるものがつながって循環してるわけだし。
推奨モデルとして共同体にプログラミングされたスタイルでうまく行っているなら安住すればいいけれど。それは全てじゃないんだろうね。

犯罪はダメだとか一元的な価値観に流れがちな昨今、物語を読解ではなくて咀嚼する力も試されているようでもありました。
その後の展開も含めて、いろいろ考えさせられる映画でした。
観てよかったよ!

nice!(10)  コメント(5) 

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コメント 5

風の友

私も見てきましたよ!!!!
びっくりしました。
こんな家族のあり方もいいなあと思ったよ。
by 風の友 (2018-06-22 14:13) 

長老純爺

読解ではなく咀嚼する力も必要とのコメント、全く同感です!!
by 長老純爺 (2018-06-24 10:48) 

あゆこ

風の友さん♪
おぉ!ご覧になられていて嬉しいです。驚きを感じるのも大事ですよね。いろんな家族のかたちがあるのは当たり前だと私も思います!
by あゆこ (2018-07-14 18:04) 

あゆこ

長老純爺さん♪
咀嚼する力、目を背けず深い部分にも向き合う勇気も必要なのかもしれませんね。
by あゆこ (2018-07-14 19:06) 

Ujiki.oO

So-netブログ在籍中はお世話になりました。
So-netプロバイダーの解約によって、7月末にSo-netブログは削除されました。
コメントを戴いたことを感謝して、
「 So-netブログ 転出 Movabletype 」の3ワードで Google検索しますと、わたしの fc2 や WP の記事がトップページに表示され、So-netプロバイダーをキャンセルする前に So-netブログを転出させる方法を解説しております。
色々とありがとうございました。
by Ujiki.oO (2018-08-07 23:34) 

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