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見えない誰かと 瀬尾まいこ [本]


見えない誰かと

聴覚障害のAさん 身振り手振りなのかわからない。けれど、簡単なことは簡単に伝わるのだ。
通訳の人がいないのに、話ができていたことに驚いた。

言葉を使いまくっている私の何倍も、Aさんは寛大に言葉を受け入れている。細かい言葉尻でぎゃあぎゃあ言っているのがばからしくなる。
「言葉なんていらない。」なんてことをよくいうけれど、それがどういうものか、Aさんと接していてなんとなくわかった気がする。伝えたい気持ち、受け入れる気持ち。
そんなものの前では、言葉なんてただの後付でしかない。


生徒とのコミュニケーションで・・・気まずかったかな・・・つまらなかっただろうな・・・そんな思いでいた後なのに、
生徒達は、話ができてよかった。 よかった。と感想を伝えてくれた。
完璧でなくていいや。思いが伝わればとりあえず”よし”としよう。
そう前向きにさせてくれたエッセイでした。


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「きのう、火星に行った」 笹生陽子 [本]


きのう、火星に行った。 (講談社文庫)

 
何もかもがめんどくさい山口君が、嫉妬がらみのいやがらせされたお陰で、本気になる瞬間まで。
ペロッと読めるけど、気持ちいい展開。文体がスマートということもあり、
小学生じゃなくても充分通用するんですけど。

きのう、火星に行った・・・このセリフは、彼らを受け入れることの象徴だった。
かっこいいっ
「0点には飽きました。」というセリフも印象的。涙 感涙ではなく、辛い涙

買いだな。


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読破 ネタバレあり [本]


Two Trains (学研の新・創作シリーズ)
Two trains 魚住 直子 小学校中学年~ つまらない思いこみが友達を遠ざけていたみたいね。


しずく
西 加奈子のたらっとだらしなく感じられる文章がここちよい短編集。

★灰皿 愛する夫は「家」「妻」全て「」付きのとらえ方をしていたのではないか、そんな思いこみの呪縛から自分を解放するまで。

★木蓮 私は恵まれた彼と暮らしている・・・なのに疲れるのは何故? 恋人の子、マリを遠ざけながら、マリからも同じ窮屈さを感じとって、わかる。マリのヘレンケラーの”ウォーター”さながら、”S○X”の言葉を思いだした時の開放感に救われる。愛されて生まれてきたはずのことを想い出した。

★シャワーキャップ 無邪気にみえる母 笑い声が聞きたいと願い、それが叶えられると耳をふさぐ、そんな関係だった。そして今、頼り甲斐のない母だが、何ものをも貫くまっすぐさを愛おしいと思う。母が「大丈夫」といえば大丈夫なのだ。彼の浮気を聞きただせないまま、うつうつと過ごしていた彼女はそれに気がつき、初めて思いきり泣くことができた。


ミカ!

ミカ×ミカ!
ミカ! と ミカ×ミカ! 伊藤たかみ

へんな生き物が出てくる・・・涙で成長する「オトトイ」と喋るインコの「シアワセ」って何だったの?
とても気になる。


大好きやったんやで 上 (1)

だいすきやったんやで れい ホストが主人公のケータイ小説!!! 
また、愛する人が死ぬ。

ケータイ小説は不幸なあんたとあたしが純愛を貫いて、どっちかが死ぬんや。
ケータイ小説、「演歌」説をぶちたてている最近です。
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=rei1002sayaka


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風が強く吹いている 三浦しおん [本]


風が強く吹いている

正月にテレビの前でごろごろさせんじゃないわよっとばかりに
箱根駅伝を快く思っていなかった私に<箱根駅伝、絶対見るっ>と言わせてしまう影響力がありました。

万引きして逃げる走りっぷりがいいから・・・と箱根駅伝出場をもちかれられた走(かける)
そして、ボロアパートの住人9名(2名以外陸上経験無し!!!)が箱根を走りきるまでのドラマ。
こんなことあるんかいっと思えるくらいの快進撃プラス、メンバーが個性派ぞろいで全く飽きない。

<頂点>とは? <速く>ではなく<強く>の意味がわかってくる過程が気持ちいい。

ニコチャンの不幸は、競技選手としてではなくても走り続けていい、走ることが好きならば、それを楽しんでいいのだと示してくれる指導者がいなかったことだ。

終わらない。終わりようがない。寛政大の箱根駅伝も、ジョージの後悔と喜びも。届かなかったと感じるかぎりは、無限に「次」があるのだ。

キングは小心であるがゆえに、プライドが高い。傷つけられることを恐れて、人と親しく交われない。
そんな臆病な本性をだれかに知られることすら許せないから、表面上はひとづきあいのいい明るい人間を装う。

などなど・・・選手ひとりひとりの走りとともに内面が掘り下げられ、走りがより深いものとして語られていきます。

ところで・・・何故か欲張って「一瞬の風になれ」を並行させて読んだので、頭がごちゃごちゃに。
主人公が 走、連と一文字。憧れの女の子が出てくる。種目も駅伝とリレー。
ちゃんと一冊ずつ読むことをオススメします。


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Presents 角田 光代 [本]


Presents

女性が一生のうちにうけとるブレゼントの数々に因んだストーリー。

名前、ランドセル、初キス、鍋セット、記憶、そして涙
どの話も読んでる私に温かい気持ちをプレゼントしてくれます。
装丁も包装紙っぽくてプレゼント然としていながらも、ホッとできる色合い、美しさ。


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温室デイズ 瀬尾まいこ [本]


温室デイズ

温室とは、なんだかんだで守られている学校生活を指す。

そのなかで強烈ないじめにあう、主人公たち。
スーパー先生がでてくるわけでも、TTがなんとかしてくれるわけでも、生徒が急に成長するわけでも、ない。
それぞれが、それぞれにちょっとずつ考えたからこそ、いじめが解消するまでの話。
解消・・・といっても、卒業間近な日。
その解消の決め手も、こりゃまたベタなちからわざ。
レンガ血だら真っ赤かよっ>>習い事がここで絡んでくるわけ。

現実に近いんだろな。

主人公は「努力は人を裏切らない」という言葉を元に歩んでいく。
その言葉をかけたのは吉川。借りものの言葉だったから本人は言ったことを覚えてなかったんだけど、いっしょうけんめいなんとかしようと思ってたから届いたのかな、そんなことを言うくだりもいい。

気に入っているのは~何とかしてやる~誰からもそんなおごりの見えないところ。


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強運の持ち主 瀬尾まいこ [本]


強運の持ち主

占い師の主人公  
どんな数値がでようが全て直感で答えてるんだけど、なんとかなるもんなのね・・・ゆるい雰囲気好きです。

かといって、超能力者でもないし、間違いだってあるし、スーパーな人間でもなくて普通。
能力で問題を解決するわけじゃなくて、あくまで関わり合いの中で、なんとなく解決されていく物事。

直感と占いの結果が正反対になって迷ったりもする。
そのなかで気がついたことは・・・。


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ハチミツドロップス 草野たき [本]


ハチミツドロップス

学校では ドロップアウトしているくせに、部活の甘いところだけ味わっている部活はハチミツドロップスと呼ばれている。

そしてハチミツドロップスは解散に。
なくなって、いかにその場所に救ってもらっていたかを知る面々。
その場所は「カズ」「高橋」「・・・」彼女達の「○○」らしさを保つのに、最適な居場所だった。

主人公は壊れそうな家族を、明るい「カズ」らしさのスイッチを「強」にして必死に守っている。
「高橋」は全てをクールにあしらってみせる。
彼氏の喪失の時でさえも・・・。

そして、ハチミツドロップスが無くなった今、
『らしさ』にすがることの意味を考え、
『らしさ』に絡められて、苦しむ自分にも気がつく。

フラれた男に彼女をみせつけられて、平気なはずないじゃん。

そして・・・・・・やっと泣けたね。

『らしさ』にとらわれず、感情を開放することを少しずつ覚え、強さにして、
ハチミツドロップスを卒業していく彼女たちはとても清々しい。


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『不良少年の夢』義家弘介 参院選のことはさておいて [本]


不良少年の夢 ―全国から集まってきた高校中退者や不登校生徒と共に戦う“元不良”だった教師の熱き挑戦!
あら~じじばばに育てられて
ばば様がぶ厚く着せた服を義母がチェック・・・
なんてありそ~苦笑いですね。長野県人同士。

大家族で育てられる弊害ってあるある。実子の弟をも意識して・・・。
子どもが過敏すぎるって話しもあるけどそれが子どもの感じる全てだもんね。

臆病なだからこその居場所探しは暴力によって行われてた様子。
なんかわかるな。

北星余市高校でのオトシマエ事件には背筋が凍った。
最後の居場所が確保できてよかったね。痛そうだけど・・・。

安達先生とのエピソードは良かった。
話を理解してくれて「ありがとう」という先生。
重症になった彼に「あなたは私の夢だから」と語りかける先生。
直球だからこそ心に落ちた言葉の数々。

”変化球で油断させ、たいそうな人心掌握の方法論だけを学び実践する大人たち。
そして疑うことしかできない私”

いままでの先生不信をぬぐえるのはストレートな”思い”しかないんだろうな。

”心ある人たちは優しさと甘さをすり替えた人たちではない。
むしろ、弱さやいい加減さを厳しく指摘した。そして、それ以上に本気で褒めたそんな人たちと出会うことで、
自分の歴史は自分の心のありようによって大きく左右されるものであるということを学んだ。
『自分の感受性くらい』 茨木のりこ・・・”

と続く。
自分の心のありようで・・・なんて、
あたりまえに思えることが、わかっていない子ども達がいる。

そうなんだね。そうなんだよね。


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『岳』買ったよ。 [本]


岳 (1)

買って良かった。毎回涙で視界がにじんでます。

父には読ませらんないよ。
のぼりたくなるかもしれないから。


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バラ色の怪物 笹生陽子  [本]


バラ色の怪物

う~んわからない。借りてきたanにもわからない。
なんとなくわかるんだけど、
義家弘行の『不良少年の夢』と平行させて読んじゃったので
思考の方向が整理できない。

偏見に満ちた眼を受け容れている彼を見て、無敵だと思った吉川。
吉川の奇行はそこから始まった。

そして、自分の内面にも醜くても最強のバラ色の怪物を見つけていく遠藤。

既存の価値観を越えたところに見つけた美は
物事の表側ではなくて、裏側を直視するところにあった
・・・ってところなのかな。

現実の裏側も透けて見えてくる年齢としては、
あえて裏側を見るほどのパワーはない。

だから、わからないのかな。
なみみのにかからとらなしちんら
ちほちちとにかちくちちみみみら
とんななきちのなすんらのらなぬぬ


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ビックコミックオリジナル ~13号まで一気読み [本]

業田良家の川柳 4/20 お題が「深」だけあって、ツボに深く入りたもう。
年とって 浅瀬でくらす 深海魚   
深爪し 落ちた五円が 拾えない
消毒液 だけど飲んだら 毒だろう    
幸せの感度を磨く 低所得 
飯粒も群れを離れりゃ固くなる
生産者の写真が不気味で野菜置き 
枕からはみ出るほどの悩みごと 
敷石がボクの歩幅に合ってない

『プチッコホーム』歌舞伎町の保育園が舞台・・・買っちゃうかも。
『岳 みんなの山』今、話題の山岳救助物語。
 自分を責める待ち合わせ場所を動いた新人、待たせてしまった先輩に対して
 「正解っしょ-!
 二人がいたから、二人が今ここにいるんでしょ。
 だから・・・二人はぜんぶ正解っしょ!」
 山の厳しさをよく知る男 島崎三歩のセリフがどこまでも温かい。・・・これは買っちゃう。

『弁護士のクズ』モテてるという依頼人に対して新米弁護士は言う。
・・・あなた、自信がないから、
いつも男の人を誘惑して自分の魅力を確認しないと、
安心できないのよ。

~そういうことなんだよね。おいっ。


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おいしい関係 槇村さとる [本]


おいしい関係 (10)

プロフェッショナルな要素有りの恋話。

フジテレビ系列で1996年10月14日から12月16日まで放送された。放送回数は全10回。
藤原百恵・・・中山美穂  織田圭二・・・唐沢寿明  木村和馬・・・草剛 今村可奈子・・・飯島直子 
高橋薫・・・宅麻伸

漫画友達からもらいました。面白かった~
ドキッとしたところを抜粋。 高橋薫と百恵の会話

キレイごと言っちゃって。

織田と可奈子さんがうまくいっていようがいまいが、自分の要求をつきつけてねじこんでいくっていうことは、あの二人がこわれたとしてもかまわないって覚悟あったはずでしょ。
今更つまんないこと言うんじゃないよ。

大体「愛しちゃう」っていうのは手におえない感情のことでしょ
相手を物のように所有したいと思ったり、嫉妬したり
自分とはちがう人間にのにどかどか踏みこんで変えたいと思ったり

犯罪スレスレ
ドロドロぐちゃぐちゃなもの
キレイなものなんかじゃないよ
それを受け入れられないなら

やめろ

男の言質とってたのみにして希望つなぐ?
惚れてるね恋だよ 愚かだね。
愚かでいいです。

いったね。せいぜいがんばれば?
みっともない失敗に恥かいて汗かいて無駄してばかばかしいと思っても
消せない情熱 あるいは錯覚

錯覚?

恋なんて錯覚だよ

そうかもね
「幸せ」って思うときおいしいって思うときに似てる
一瞬なの でも絶対なの だからまた って思う
おやすみなさい

何言ってるんだ俺は・・・百恵ちゃんの一番キレイな気持ちにすがって
助けられたくせに





私が思うに・・・恋は勘違いから


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銀のロバ [本]


銀のロバ

ひんやりした春の朝、海に近い森の中で、ふたりの少女は盲目の兵士にであった。そして、ふたりにとって、かけがえのない冒険がはじまった―ほんとうの勇気とは?思いやりとは?愛情とは?心に深くしみいる寓話の傑作!オーストラリア児童図書賞受賞。

じんわりと心が温かくなるお話。ロバというと愚鈍なイメージだけれども、耐えること、欲張らないことの力を感じることができます。中尉の話してくれるロバの話がとてもやさしく、心がほこほこしてきます。


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ヴィッキー・エンジェル [本]


ヴィッキー・エンジェル

生徒オススメ!

超人気「ガールズ・シリーズ」のウィルソンが贈るハートウォーミングな幽霊ストーリー
 (原題:Vicky Angel)ジャクリーン・ウィルソン 作/尾高薫 訳
死んでもずーっといっしょだよ。
親友が幽霊になってあらわれたらどうする!?

親友のヴィッキーが突然死んでしまって、ジェイドは大ショック。けれど、その夜幽霊になってあらわれたヴィッキーに大喜びのジェイド。また二人の楽しい日々がはじまった。ところが…。親友が自分にとってどんな存在なのか。若くして死んだ少女の悔しさいらだち。変化し成長していく友情をせつなく、あたたかくユーモアたっぷりにえがくガールズ・ノベルの登場です!
http://www.rironsha.co.jp/tokushu/girls/books_vicky.html


いつも一緒の親友のはずなんだけど、その関係はちょっと・・・言いたいことをいえないジェイド。

幼稚園の園長先生が保護者会で言ってた事を想い出します。
友達だったら、こうすべきなのに、うちの子はこうしてもらえない・・・
と不満をもらし、一緒になって不安になる親もいるのよね。

”友達って、自分に都合のいいのが友達じゃない。
お互いに言いたいことを言い合える関係に
しあえるのが友達じゃないんでしょうか。”

ヴィッキーとジェイドの間にできた主従関係。
ある日ジェイドがヴィッキーに反抗した日。事件が起きた!
いわば、自分の反抗によって、親友が死ぬ。
こんな状況で・・・ヴィッキーが幽霊として蘇り、
更なる罪悪感に陥れていく。友達も作らせず、言うことを聞かせてくる。

あとはネタバレあり。












でも、あるおばさまと相談するうちに・・・何かに気づいていく。
幽霊って何?
写真のヴィッキーと幽霊のヴィッキーは違う。

幼稚園よりヴィッキー以外、関係を持たずにべったり過ごしたわけで、
今更、他の子とどうつきあったらいいのかわからない。
自分が動く動機がすべてヴィッキーだった。

だからこそ、ジェイドにしかみえないヴィッキーがでてこなくてはいけなかった。
自分だけ幸せになると、ヴィッキーに悪いから、それをとめるヴィッキーが必要だった。

直接的には表現していないけれども、あっさりした夢オチのようなラストは
ヴィッキーの幽霊はジェイドが無意識が作り出していたことを物語る。

女の子同士の痛い関係にも目をふせず、
ジェイドが自分をうけとめるまでの心の動きを見事に描いた一作。
是非読んでもらいたいわ。

anもオススメ!


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CONTINUE のだめカンタービレ特集 [本]

あまり面白くなかったので、買わなくていいよ。
回覧するね。

着信御礼!ケータイ大喜利 NHK番組 の特集はよかった。
今度見ようよ。例)

サッカー。相手チームを見て『これは勝てる!』なぜ?
   ~トスしたコインに群がる

月に代わってお仕置きよに飽きちゃった。新たに言い放った決め台詞とは?
   ~預かってるペットに逃げられろ!

心、動かされない?


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ヤンキー先生のたからもの [本]


ヤンキー先生のたからもの 天使たちの詩

生徒に借りた。俺は他の教師と違う、という箇所には辟易するけど、
関わりを温かく丁寧に描いていることに好感。
登場する生徒たちが文章の中で確かに生きている。

 子どもの頃からの問題行動。周りにはやしたてられ大人に怒られる。
 自己顕示欲の強い子どもは、教育という名の下で大人から叱責を受ける。
 本来、自己顕示などする必要のない存在であることを忘れてはならない。
 自己顕示の訳は?
 やがて彼が怒られるたびに仲間達は冷笑するようになる。そして、その先はまっしぐらに。
 でも、夢中になれることが学校で探せて・・・

 矛盾を抱えきれなくなった彼女は中学で『男』に逃げた。いつも甘い言葉をかけてくれた。
 私のいる世界の全ては意味のないモノだと思え、彼氏中心の世界にのめり込む。
 でも結婚の話が進んできたとき、全てから逃げたくなって叫び出す。

 教育という語源が『引き出す』という意味をもっていることはよく知られている。
 だが、昨今の教育現場では、学力一辺に偏り、本来の機能が十分に果たされているだろうか。
 「体育しか出来ない生徒」と「体育ならできる生徒」というのでは雲泥の差がある。
 『得意気な人間』と『惨めな人間』しか生み出さない。でもそうじゃないだろう。
 本来の目的は『幸せな人間』を育てることではないだろうか。
 劣等感にうちひしがれた彼は暴走していくが・・・
 

 北星余市に辿り着いたそれぞれの生徒が、すぐさま変わるわけでもなく、
 紆余曲折をかかえながらも、自分の人生をみつけだしていく。
 それは確かなドラマだった。


中学3年生。
勉強ができなきゃ価値がない。そんな感じの発言も耳に入る。
だから差別的な言動も出てくる。
同時にそれが勉強をする原動力になってもいて、
反抗的な態度もかわったりする。

でも、勉強できることと、人間の価値は直結しないんだよ。
勉強ができる様になることで、広がるのは自分の可能性。
勘違いはしないで欲しい。

でも、逃げる理由ばかり、思いついて
そこにすがっていることは、価値云々以前。
今は自分の未来と確かにつながっていることを、
どこかで確かめて。


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楽園のつくりかた  [本]


楽園のつくりかた

内容(「BOOK」データベースより)
エリート中学生の優は、突如ド田舎の学校に転校することになった。一杯勉強して、東大に入り、有名企業に就職する、という将来プランがぐちゃぐちゃだ。しかも、同級生はたったの3人。1.バカ丸出しのサル男。2.いつもマスクの根暗女。3.アイドル並みの美少女(?)。嗚呼、ここは地獄か、楽園か?これぞ直球ど真ん中青春小説!今もっとも注目を集める作家の代表作

主人公は星野優は、
  ぼくの夢はエリートコースまっしぐらに一部上場企業に就職。
  計画をたてるのが好きで、予定通りにならないのがきらいだ。
  家庭の事情ごときで輝く未来を台なしにされちゃたまらない。
といいくさる、偏差値大好き子憎たらしいお子さま。

彼の思いが紡がれていくのだけど、文体がものすごくやわらかいので、
憎たらしさも和らいで、かえっておかしい。
しかし、こんな奴が、田舎に引越、しかも分校に転校したらどうなる??

鼻持ちならない奴が田舎に転校して角がとれてくのは、(バッテリー)?
と思ったけれど、待っていたのは純朴な門倉じゃなくて、
なんだか個性的で、それぞれわけありな3人だった。
で、いろいろある。

そんなトラブルの中、
お父さんとのメール交換を心の励みにしている優。
お父さんのフランクな返信は、優の心を救っていく。

  私立と違ってちがう価値観の人間が・・・
  うまくやろうとしてもうまくいかない時もある。
  おじいちゃんのことは見守ってくれればいいです。
  中学生が無理をして世話をすることはありません。
  君が元気にしていることが家族の励みになるんだからね。
  ・・・さすが父親、息子のつぼをよく心得た忠告だ。

そう、返信が心を救っているはずだったが・・・。
最後は意外な事実がわかり、
本当の優の心に触れた様な錯覚に陥り、ほろりとしてしまう。

そして、最後の一文とともに、私の気持ちも何かを越えていた。
 ・・・よし、今日も元気だ。空気がうまい。

笹生陽子 この作家はうまい。探して読む価値ありよ。
anにはわからなかったらしい。まだ早いね。


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両親をしつけよう!ピート・ジョンソン作 [本]

両親をしつけよう!

内容
どうやら、へんなところに引っ越してきたらしい。きょうは、新しい学校の第一日目。やけに古めかしいよぼよぼのじいさんが出てきて、自分は校長だと言い、この学校にこられて運がいいと、四回も言った。担当の先生はヘルメットをかぶったイタチみたいな人で、ぼくに学校の名誉になるような生徒になれと言った。でも無理だろうって顔をしてたよ。放課後になると、クラスのほとんど全員が、おかしなものを習いに、せかせか帰っていくんだ。ぼくはこの“ガリ勉村”に住みつけるだろうかね、日記くん?

いろいろ干渉してくる両親の監視の目をぬすんで、“お笑いタレント”になるため、オーディションを受けるルーイ。夢はかなう?小学5年生以上。

内容を読んでもらってもわかるように、ゲラゲラもんです。
もう、言いたい放題だけど憎めない。
大人の価値観なんてものともしない、ルーイの反発が小気味よい。

でも、プロデュース好きないい友達に巡り会えてよかったよ。
じゃなかったら、お笑いタレントは寂しいよ。
そんな環境じゃ。

結局、学校さぼったおかげで、両親はわかってくれて
めでたしめでたし。
それで目覚める両親でよかったね。

友達への慰め方・・・

僕はBなんてとったことないよ。
(友人はいつもAをとっている)

僕もBなんてとったことないよ。

(もちろん、期待通りの成績です)


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