『りはめより100倍恐ろしい』木堂椎 [本]
いじられたら、それでおしまい。
ここは戦場なのだ。
いじ“り”はいじ“め”より、よほど恐ろしいものだ。
巧妙、かつ陰湿に仕掛けられる、学生生活のおとし穴。
中学で「いじられキャラ」だった羽柴典孝が、
ようやく果たした高校デビュー。
おな中の一城の協力もあって、いじる側にまわれたはずが――!?
~出版社 / 著者からの内容紹介
「ノブタを~」同様スクールカーストものの問題作。
これまたノブタ同様、後味悪いラスト。
命題を際だたせるためなんだろうけど(-_-;)
ノブタよりずっとリアルな分、後味悪さも格別!
語り口がとっても軽妙なんだけど、
これは救いになってるのか、なってないのかよくわからな~い。
中学で「いじられキャラ」だった分、
階級に対して異様に敏感になってしまう
主人公の心理描写はほんとにリアル。
いじられて、人気者だけど階級は下。
いじられ役と知られれば、彼女も去る。らしい。
私の属した集団生活、学校でも階級は確かにあった。
でも、こんなにはっきり階級を意識しあっていたかなぁ。
それはそれって感じだったけどなぁ。
大人になって、いろんなフィールドが作れるから逃げ道あるし、
やんなきゃいけないこと多いし、
いっそう狭い世界の階級なんて、だから何?って思えるだけかしら。
まぁ、今は狭い横社会って言われてるし。
人間関係も気遣いしすぎらしいし。
作中にもあるけど、テレビで「いじり」の笑いが多すぎだし。
子どもは”芸のない芸人はいじられてナンボ”ってこともかぎ分けられない。
愛のある「いじり」とそうでないものとの区分もできなそうだし。
群集心理にのっかって、笑いっぱなし。
リアルな集団では、フォロー役も役割分担として自然発生してきてたんだけどな。
テレビがモデルじゃそうもいかないか。
あぁあ。中高生よ、特に男子。お疲れ様。
愛ある範囲での「いじり」をよろしく。
それからここではっきりしてきたのは、
日本人の群集心理が恐ろしいってこと。
もともと”私は私”って文化じゃないし。
デビューの機会を奪う、中高一貫校って最悪じゃないの?
紹介文まとめ~
”いじり”って何だろ、考えたい人どうぞ。
学校の階級闘争のスリルも味わえまっす。
ただ何も考えないで、いじってる人は
読んだとしても自分の優位な立場を確認するだけだったりして。
読み手の器量も問われる本です。
テレビのマネして笑えればいいってだけの人。
愛ある範囲での「いじり」をよろしく。
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