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『いちご同盟』三田誠広 [本]


いちご同盟
生徒に「よかったよぉ」と勧めてもらった本。
いや、ほんとよかった。教えてくれてありがとう~。
たまたま『亡き王女のためのパヴァーヌ』が携帯にダウンロードしてあるじゃないですかぁ。
偶然に感涙し、聞きながら読みました。

あらすじ*
中学三年生の良一は、同級生の野球部のエース・徹也を通じて、
重症の腫瘍で入院中の少女・直美を知る。
徹也は対抗試合に全力を尽くして直美を力づけ、
良一もよい話し相手になって彼女を慰める。
ある日、直美が突然良一に言った。
「あたしと、心中しない?」
ガラス細工のように繊細な少年の日の恋愛と友情、
生と死をリリカルに描いた長篇。

中三・・・親からの期待から距離を置く主人公は
自分の心だけに描く進路と自分の実力の無さとに向き合い始める。
自分はどうしたいのか、実力はあるのか・・・
自分を出そうすればするほど際だつ不器用な自分・・・
そんな自分と向き合うことを繰り返すうちに漠然と死を考え、
「どうせみんな死んでしまうんだ」という落書きに吸い寄せられる。

私が中学の頃もそうだったなぁ。
子どもにとってモデルになる母が亡くなっているので尚更かもしれないけど、
死んだ人のその後どうなるとか、
生きることと死に様との関係なんか考えていたわ。
生の方向にまっしぐらに生きてる児童期から、
ふと抜け出た反動なのかもしれない。

努力して生きていったとしても死んでしまえば無駄。
逃げ道とも思える主人公の「死」のイメージ。
ところが、死にそうな直美に出会って恋心を抱くうちに・・・。
あ~ネタばれ。失礼。

父をモデルとして意識しすぎ、あがらう徹也の姿も辛い。
父がこうだから、僕もこうなってしまうかもしれない、
という考えに取り憑かれて苦しむ。
中学生という時期、自分の中のそんな可能性に気が付き始めたからこそ・・・
そして違う自分の可能性に出会えていないからとらわれる感じ。
う~ん、またまた繊細さがまぶしい。

あと、公立中学の描写がやけにリア~ル*!
あ、でも、いじめられてた生徒が虚勢をはって乗ったスクーターで大変なことに(-_-;)、
ここはリアルにならないで欲しいです。たのむよ。

「いちご同盟」という言葉にこめられた強い思いと供に、
自分の人生に踏み出す主人公。
中学生のうちにその思いに心を重ねて欲しいなぁ。。。
anはさっさか読んで良かった~と言ってますが・・・
ほんとぉ?小学生でもOK?


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