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司馬遼太郎の遺言 [雑感]

誇るべき武士の精神は明治を形作ったが、翻って昭和では、個々に宿る公に投じる精神が「反論すると面倒、公の利に外れそうだ」と判断するや黙りこむことにつながって、軍部に権利を与え、日本を焼け野原にした。

熱狂することは、恐ろしいことだと思う。

司馬遼太郎にそう言わしめたあの時代を、再現するのは人々の記憶のチカラと考えるチカラが無くなった時なのだろう。

ヒトラーは「真の標的を逸らし、敵を作り反復すれば人々は容易に熱狂し戦争は作れる、私を何故止めなかったのだ?」という旨を話したという。反知性に流れこんで、前時代に戻ろうとすることを望むのは、それぞれの民族にとってどういうチカラなのか。それを押し留めるものはどういったチカラなのか。

ルーツを知るのは本能。日本人論をひとつのライフワークとおいて、もう一度読み解いてみても良いと思った。


そして、そう思わせてくれたNHKに対して感謝したい。

気のせいなのかもだけど…1月に口座振替の手続きをしたのに受信料の請求が来たので「トップが活躍する映像が反復されるのは不快なのでなんとかしてください。」とメッセージを入れ込んだ。その時から流れが変わった気がしている。アクションしても無駄ではない実感がなんとなく得られた。微々たることなんだろうが、こういうひとつひとつが流れを変えることは間違いないんだろう。

没後20年。一瞬でも、司馬遼太郎の遺言に応えられていた気がする。



【NHKのHPより】

作家・司馬遼太郎の作品『この国のかたち』を読み解きながら、“日本人とは何か”に迫るシリーズ。第2集のテーマは、“武士”。司馬が注目した鎌倉時代の武士。

私欲を恥とし、 他者に尽くす“名こそ惜しけれ”

の精神は、武家政権の拡大とともに全国に浸透、明治国家という奇跡を生み出す原動力になった。それは昭和の世に何をもたらしたのか?俳優の香川照之さんがナビゲーターとなり、武士が生んだ日本人の「かたち」をたどる。

http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586728/index.html
2/18深夜午前1時再放送
image-20160216063818.png

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