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(500)日のサマー Sweet Disposition - The Temper Trap [movie]

this is story a boy meets girl という語りから始まるこの映画は、なんとも不思議な恋愛のお話。

トムは建築家を目指しながらもカード会社に勤め、ルサンチマン丸出しのロックバンド、スミスをこよなく愛す、彼女いない歴=年齢というオタク寄り男子。
ある日、彼は会社にやってきたサマーに一目惚れ。さらにサマーが2人きりのエレベータの中、トムのヘッドフォンから漏れ聞こえるスミスを口ずさむものだから、トムはもう完全ノックアウト!


いつだかのnetNewsで、「この人しかいないと思う時」特集で、「個人的趣味を甘受してくれた時」ってところに深く頷いてしまったわ。好みって自分のidentityだから、自分が受け入れられてるって感覚持つもの。

しかも、それを華麗に、間近に、自分に向けて表現されたその日には、もう…。
裏返すと恋愛テクなのかしら?


さてさて、それからトムは酔ったはずみでサマーに告白。でもサマーの恋愛感は冷めたもの。
恋人は作らない…と貫く。
な、なのに、翌日、二人きりのコピー室でサマーの方からkiss。

ん〜、言葉うらはらのツンデレですか?

という感じにトムはのめり込んでいく。デートも重ね、体も重ね、気持ちも許して深い話しも…。「こんな話、誰にもしたことない」とまで!
なのに、「僕たち恋人じゃないの?」と詰め寄るトムに

「あなたとは友達だわ。」

を繰り返して、天然系小悪魔ちゃんぶりが、ぶれないサマー。


哀れなトム〜
トム役の、ジョゼフ・ゴードン=レウィットが、美男子すぎないいい男で、笑顔が地顔の堺雅人がいいなと思ったことがある女性なら、すぐさま好きになるはず。吹替の猪野学(冬ソナのパク・ヨンハも彼)の柔らかい声にも癒されて、ついついトムに肩入れして同情してしまう。


そういえば浅野いにお氏のつぶやきに
「女の子になりたい。そして40歳男をもて遊びたいという欲求に気がついた。気がついたところで…(続く)」ってのがあったっけ。


男性にそんな潜在的な欲求があるならば、トムを描くスタッフは、さぞかし楽しいことだったでしょう(笑)


トムはもちろん可哀想だけど、
サマーの方からしたら、トムの言動がもう少し琴線に触れたら展開も違ったろうにね…。盛り上がりの後はがっかり続き。

トムは学生時代スミスにはまって内にこもり、サマーは学生時代ベルセバを紹介したら、町中ベルセバ旋風になったというくらいだから、その差は歴然。
サマーは建築家になろうとしないトムが理解できない。

感性で通じるものがあったとしても、その感性の活かし方の違いで、ん?ってなっちゃうのね。感性を生殺ししてるんだもの。


おまけに、トムは「恋人の役割」に浸ってみせるものだから、サマーはまたまたがっかり。
バーで二人でいる時に、見知らぬ男がサマーに「こんな男と付き合ってるのか」と絡んでくる。サマーはかわしたのに、トムはその男を殴りつけ、あげくは「君の為だ」と言い出すし。サマーは理解できない。

自分の好みを押し付けてくるし。

あらら〜〜〜。
せっかく気持ちも許したのに…。もぅ。恋人昇格ならず。


トムとしては、そんな美意識の高い彼女と付き合えて、磨かれたというべきなのかも。

それに、ちょっと違うと思っても、「あなたは恋人よ」と言って、つなぎとめといてサッサカ離れる女の子なんて、いくらでもいるんじゃないかな。。友達以上恋人未満の生殺しと…どちらがズルい??

なんとも言えないな


あと気になるのが、その後、世界をしっかりもったサマーを射止める男性はどんな人なのやら。
濃い世界をもつ余裕のある大人かな?それとも夢に突っ走る自由人?
少なくとも、もてあそばれない男性なことは確かだろうけど。
いろんな想像したくなるわ。



これだけ書くと、もやもやMAXなだけの映画と思われちゃうけど、各賞獲得してるだけあって、明るいところはとことん鮮やか。演出の手法が冴えてるわ!!

スミスを扱ってるだけあって、サントラもグゥ

いい雰囲気の時に流れるのは、TTTのスィートデビジョン。耳慣れた曲が、ロマンチックなシチュエーションで聞けただけでも収穫!TTTはこれで有名になったのね。(おとといFMラジオで知ったとこ)

トムのうきうき気分にHall&Oatesが似合うこと似合うこと。


そして、500日めは…!?
これは見てのお楽しみ。


夏の終わりにふさわしい一作でした。
500 Days of Summer - Official Full Length Trailer





(500)日のサマー [DVD]


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