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[どうなる日本、どうする日本]対談/社会学者:宮台真司×氷上麻布学園元学長 [雑感]

少し前の話ですが、麻布十番にて野菜たっぷりのランチのあと、麻布学園で[どうなる日本、どうする日本〜日本の若者・教育、その未来について語る]をテーマにした社会学者の宮台真司氏と元学長の対談を聞いてきました。

人を幸せにしないと幸せになれない。弱者を助けてこその共同体なのに加速する崩壊。共同体の崩壊に公共事業しか処方できないリソースのなさ。公共性を失った共同体は崩してよい。ニーズに応えるのではなく幸せになる方法を示せばよい…等々キーワード満載で充実でした(^O^)/ ので、ざっくりレポートしておきむす。

まず最初は若者の幸せをテーマにするにしても切り口を何にしようか、会場の反応を見ながら手探りな話…。高校生に教員に卒業生に父兄に一般に、と幅広い対象ですものね。

幸せになる為には…一人でやっていくのが美徳のような風潮はナンセンス!グローバル企業の中心にいる、ユダヤ系は父性共同体、華僑は母性共同体に頼っているからこそ、息が続いているのに。共同体に頼るべし!と行きますが、反応はイマイチ…

で、切り口の強いところで、山本太郎の件も過去の天皇の政治利用の歴史を知っていればこんな事では騒ぐのはメディアの2チャン化と議員の劣化とバッサリ。GHQは天皇を処刑しなかったのも天皇が民主主義を認めれば国民が納得するという調査結果を下にした判断で、今の民主主義もすべて、天皇の政治利用によって成り立っているのに…なんて時事問題は…元学長に幸せの話をしようよと切られて(笑)

「人を幸せにしないと幸せになれない」「成功は幸せを産まない」をキーワードにして
弱者を助けてこその共同体なのに[政府は助けなくていい]と答えてしまう日本人が30%というDATAを世界に晒し、同時にそんな空気に子どもをさらしていると嘆きます。マスコミは2チャンネルと同列化。2チャンネルに議員も加わっていて恣意的に劣化を促していたんですね。加えて崩壊した共同体に公共事業を与えるぐらいしかリソースや知恵がない情けなさも訴えてました。

母校に呼ばれている自分に、ナンパの研究してるような僕を呼んでいいの?なんて自虐しながら、社会学者なのに時代の性愛の探求に走る理由を聞かれますが、理由はすぐわかりますよね、と気持ち挑発。

従来の価値観が通用しない時代に、エログロと自然科学が発達するのは当たり前。従来の枠組みを壊しながら考える必要性に必ず身体的なエログロがついてくるのは時代が証明している。
…んですね。時代のスパンではなく、適宜、枠組みを壊す非日常が[まつり]だとも。いいですね。

で、後半、質問コーナーの若者との一問一答が真骨頂。洒落てました。ここから言葉に先輩の温かさが滲んできます。

会社という共同体との付き合いに悩む卒業生には「その共同体に依存しないのならば付き合えばいい。共同体はエゴが大事。でも公共性を持たなくなったのならば崩していいんです。」
なんて話しながら、明治以降、既存の共同体の引き換えに→天皇に共同体を委託→会社に共同体を委託、と変節させて来た歴史をさらってみたり、米国もFRP(ユダヤ系)という共同体に生かさず殺さずされているからこの共同体の公共性は…どうなんだろう。なんて情報も織り交ぜる。

共同体に頼りたいけど僕は親に反抗する!という高校生には、親に抱え込まれない為にもいろんな価値観を内包した共同体がある、と応じます。そして!

男子校で男子しか知らない僕が恋をした…どうしたら?なんて質問には、ここで発表できる君はもう乗り越えている。恋愛も失敗しながら。ニーズに答えるだけではダメ。スティーブジョブズも…ニーズに依らない幸せの提言しているでしょ。スマホに頼るコミニュケーションは所詮浅いもの。散歩して身体的同調を経るなど時間をかけて…。
なんてナンパ人の極意も(笑)
会場が笑いに包まれました。

他にも[ポジション取りや承認を求めるだけは浅ましい][やり過ぎはよくない(笑)][まつり][ここではないどこか]等々キーワードを散りばめていて…きっと人によってツボに入る場所はいろいろ…書ききれないほど盛り沢山で充実した時間を過ごせました。
元学長オススメの『14歳の社会学』も読まないと!
誘ってもらってよかったわ。



■私のまとめ

弱者の面倒をみないのならば、その国家は崩壊した共同体なんですね。昨今の山本太郎騒ぎにしても、崩壊しつつある共同体の穴埋めとして天皇を神格化するような動きの一端なんでしょうか?天皇に依存しないと共同体として体をなさなくなる、という流れでないといいのですが。
あ、[救済よりオリンピック]という二項対立が、実は同じような動きを象徴してるのかもしれませんね。

価値観を転換しないとならない時代に自然発生してきた事象[エログロ]の封じ込め。その先手は、ダンス規制法に象徴されたり?

価値観の転換をしないと公共性が崩れる時期にあるのに、従来の枠組みのなかでしか考えようとしない共同体が、存続を希望しているのは全く愚か…。しかも狭い枠組みでジャッジしてマスコミを煽り旧体然をさらしてたり。リンチに理はなくキーワードは長いものに威を借りた[生意気]で情けない限り。それは自立できず共同体からの承認願望にぶら下がりきっている姿かしら。
周りを幸せにしないと幸せになれないのに。従来の枠組みでしか幸せを提示できない。
はい、それはモテないね。

明治以降、自治体がバラバラになり、中空構造を持つ【相対】の国日本が国家という共同体の体を成す過程で必要だった一神教(基督教の【絶対】の概念が発想の礎)。
基督教の利点である自立の概念→民主主義も博愛も充分に育まれないままで、弱者を救えず共同体として崩れ放題の国家。道徳のみで倫理なし。絶対の一部分だけを切り取っての一神教に立ち戻ることでしか国家を確認できないのでしょうか。
宮台真司の師、小室直樹氏(テレビでよく立川談志師匠と対談されてた方)のいう【にっぽん教原理主義派】の時代に降り戻る予感です。戦後は政教分離されていないのに政教分離したふりをしていただけとのこと。無自覚極まれりの笑い者で西欧が苦労して分離させたのに日本ができているわけはないようです。幼稚な隣国の民度(民主主義の育ち具合)の低い行動に引っ張られたり、安保改革が民主主義の為と信じて統制してみたり、強いものこそ自由であるべきなんてグローバル利権に騙されたり、自立の為でなく任せて文句を言うのが民主主義と思っていたり、民主主義の程度を知らしめているようです。もっとも国民の代表が従う党議拘束はもともとマニュフェストを守る為なのに日本ではそんな理念がないわけで、考えることを辞める無責任な代表者を産み、多数決が民主主義という勘違いと無力感を育んでいるようです。

これから、グローバル企業を主権につなげる[新自由主義イデオロギー]とどう絡むのか。そこでは幸せはどこに?

どうなる日本。どうする日本。


◆空気読め?日本人の宗教は その2
◆空気読めよ~。日本人の宗教観とは。なんでもにっぽん教![雑感]
http://anyuko.blog.so-net.ne.jp/2012-06-03



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