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神話に埋没してみせる勤勉で凡庸な組織の一員である自分と、事実を検証しながら『社会』の一員として生きたい私。 [雑感]

混迷を極める都知事選。
脱原発なんだか生活なんだかの二元論まで現れる。(脱原発は社会保障の在り方の象徴にもみえるから切れないと思うけど)そこに安全保障を携えたオリンピックも絡ませる。安全保障という国家の命題も担保にしたりでなんだかな。

ここで、よくわからない『神話』がいろいろと盾になることに気がつきました。
脱原発で電気代が上がる?もよくわからない。
これだけ対人間、対環境にコストをかけていてなんで安価なんだろう?不浄を嫌う風評被害のせいなの?保障も保険も十分とも言えないまま別立てにして成立させるマジックは、リボ払いが安いと言ってみせるだけに思えるのだけど。一時的な延命にすがらなくてはいけない逼迫した事例に頼らないで欲しいと思ったりする。

のだけど、この『原発安価神話』の話は噛み付かれるので、なんだか面倒。別の『神話』の話にします。

鎌仲ひとみ監督
「原爆投下は正当だった、おかげで最小限の犠牲で済んだ、との見方がアメリカ国内では根強い。原爆を正当化する心理と、戦死した日本兵を英霊と呼ぶ心理はどこか通じたものがあるように思われる。」

官僚「共和党政権だったら靖国に参拝しても干渉しないのに。」二つのアメリカのうち、今は正当化物語の側にあると思ってよいのかな。

あれ?これも噛み付かれる話だなぁ。国家の命題だから聖域なの?検証するのは神を恐れぬサヨクと遠ざけてみせるようだから、これも『神話』と考えてみよう。原爆投下神話と英霊神話。
どちらも正当化と美化だもの。


で、なんで神話が必要なの?

「近代社会は『社会』というボディに道具として国家と経済があるという自立の思想のもとにあった。
経済が自由化したので焼畑農業のように、社会が問題にしたら出て行けばいいだけ。社会はどうでも経済はまわる。
経済のパワーホルダーは社会を保障しようという意欲を持たない。中国の環境が悪くなっても、次はベトナムがある、次はミャンマーまで。

政治も同じで、社会が本体で、政治と国家は道具という考え方。ところが昔は社会のねずみより国家の暴走の方が怖いという世が、テクノロジーの発達で、推定無罪→有罪にと世界が動き出す。安全保障をもとに政治も社会がなくてもまわるようになる。よりミニタリーなものを要求するようになり、そこだけ資産を集中すればまわるようになる。社会がなくても国家が成り立つんです。」

と宮台真司氏。

こんなふうに社会を置き去りにして歩いている経済と政治。その整合が成り立たなくなった時に『神話』が必要なんでしょうね。

そして、『神話に埋没』して『社会』の一員であるより経済と国家の一員であることを無自覚に選んでいる人々の凡庸さの積み重ねが、『社会』を忘れさせているようです。

それはそのムラの住民じゃなくて、仲間内の承認を糧に生きる私達の姿でも。

以下はナチスのアイヒマン裁判を題材にした映画『ハンナ・アーレント』をみた方とのやりとりです。(アイヒマンはユダヤ人を強制収容所に送りこんだ戦犯として裁かれますが「仕事をこなしたまで。」と繰り返して罪の意識がありませんでした。)

(転載)
●「仕方ない」という決まり文句を錦の御旗に「社会」に無関心を決め込む。ごく普通の人間の日々の言動が、想像を絶する結果を招く。アイヒマンのような人間は、至る所に存在する。考えることを止めれば、あるいは暗黙のうちに禁じられれば、悪の陳腐さが蔓延る。 
[新月]「勤労させて考えさせない」コントロール。コーポラティズムがそれを後押ししているからこそ、自覚したいですよね!
●アウシュビッツの標語 ARBEIT MACHT FREI(働けば自由になれる)を思い出しました。「働けば、(自分の頭で考える煩わしさから)自由になれる」という寸法ですな。(以上)

生活、勤労で思考停止を狙う層の存在も自覚したいところです。(格差社会アメリカでは通説)
アメリカ国民の半分?は「神話」に疑念的。事実の検証をもとにイラク戦争を演出した広告代理店に気がついたり、格差社会の悲惨を労組やNPOや報道、文化人が救い上げて、自覚させる方向に機能しているんですね。近代社会の自立の理念が浸透してるんでしょう。さすがです。神話に埋没することを大人の振る舞いにさせません。ニーズと正解の振る舞いより『社会』の一員であることを自覚する一歩が必要なんでしょう。

そして、日本で忘れてはいけないのが、安全保障に向かう世界の流れの先端!秘密保護法。

『社会』を無視した経済と国家には事実より神話が必要なんだとすれば、容易に必要性がつながります。

『社会』の一員ではなく、国家の一員であることを裏付ける神話の為には事実は邪魔。だからこそ機密文書は平気で廃棄してきた日本。欧米からの文書でやっと歴史の検証をする有様は近代国家なのやら。今までがこんな状態なんですね。

更に戦後処理同様(周恩来テーゼなど)正当化物語に埋没することを選ぶ国民性。更に特定機密保護法。その運用の目指す先はこう見えます。

神話を神話にする為のもの。




・『社会』を無視した経済と国家には事実より神話が必要なんだろな。正当化物語、安全神話に原発安価神話に英霊神話。そして、神話に埋没して『社会』の一員であるより経済と国家の一員であることを無自覚に選ぶ凡庸さの積み重ねが『社会』を忘れさせる。生活、勤労で思考停止を狙う層の存在も自覚したい。(格差社会米国では通説)

・『社会』を無視した経済と国家には事実より神話が必要のよう。機密文書を平気で廃棄してきた日本。欧米からの文書でやっと歴史の検証をする有様は近代国家なのか。戦後処理同様、神話に埋没することを選ぶ国民性。更に保護法。運用の目指す先は神話を神話にする為のもの。

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yu-papa

続けてのご訪問に感謝します(^^)
記事の中に原爆投下に触れられていますが、
              事実として原爆投下は、広島・長崎です。
本来の原爆投下地点をはずしたのは、
         色々な風評が流れていて掴みどころが見えませんね・・・
by yu-papa (2014-03-09 21:08) 

あゆこ

Yu-papaさん
コメントありがとうございます^o^
本来の原爆投下地点をはずしたくだりにはそんなにたくさんの風評があるのですか?投下の意図につながるものなんでしょうか。
被爆地ではGHQによるウォーギルトプログラム(残虐な日本軍。戦争をやめさせる為、平和の為に投下した)は拭われ、強い確信を持って「原爆投下は人体実験だ。」という認識になっているのは確かなようですが…。
by あゆこ (2014-03-13 17:25) 

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